糖尿病の診断

 糖尿病とは「血糖値が高い状態が続く病気」です。多すぎる糖が尿から出ていくことで尿の量が増えたり喉が乾くようになったりすることがありますが、血糖が高いことが根本になります。そのため多くの方は健康診断で血糖が高いと言われたことをきっかけに診断されることになります。とはいえ、たまたま採血の時に血糖が高かったという可能性もありますので、喉の渇きや多尿などの糖尿病の典型的な症状が存在したり、糖尿病の合併症である網膜症が存在するなど明らかに高血糖が続いていると判断される場合以外は別の日に再検査を行って診断する必要があります。しかしながら過去23ヶ月の血糖値を反映する検査であるhba1Cが高い値であれば高血糖が続いていることが想定されるので当日に診断ができます。当院では血糖値・hba1Cは10分程度で結果を確認できるため、これらの検査をもとに診断することが多いです。しかし、食後の一時的な高血糖など初期の糖尿病では判断がつかないことがあります。その場合にはブドウ糖負荷試験と言って糖入りのジュースを飲んでもらって何回か採血をすることで糖の処理能力などを評価する検査をすることもあります。特に妊婦さんではわずかな血糖上昇が胎児に影響を与える可能性もあるため妊婦健診でブドウ糖負荷試験を行うことが多いです。